カンテレのテレビドラマ、北川景子主演『あなたを奪ったその日から』第4話「罪を忘れた男を許さない…母の復讐心再燃!」は、再び復讐の物語が幕を開ける序章が描かれた。10年間は穏やかな日々を過ごしたであろう母と娘の時間が破られようとしている。
復讐の炎を再び燃やすことになった紘海
中越紘海(北川景子)と中越美海(一色香澄)の穏やかなやりとりから始まった第4話。鉄道好きの美海が「将来のために」とお小遣いをせがむ場面には、まるで本当の母娘のような温かさがあった。母と子、静かな日常の風景。しかしこの平穏は、確実に嵐の前触れである。
自販機の補充に来た玖村毅(阿部亮平、Snow Man)との他愛ない会話から、偶然にも結城旭(大森南朋)の話題が出てきて驚く紘海。そして、紘海の心に引っかかりを残す発言がひとつ。「人殺しが出世するなんて狂っている」――その言葉が、かつて封じたはずの復讐心に火を灯す導火線となる。
一方、結城旭(大森南朋)は順風満帆なキャリアを歩んでいるように見える。何人もの部下から挨拶され、会長との会食では自信満々に事業の進捗を報告。だが、彼の運命もまた、この回で確実に変わろうとしていた。
紘海が美海の思春期特有の反発に悩む描写には、母としての苦悩と戸惑いがにじむ。同時に普遍的な親の悩みを抱える彼女は、親として幸せでもあると言える。しかし、ほのかに再燃した復讐心は玖村がさらなる情報で加速する。かつて結城の部下が「隠蔽と同じじゃないか」と声を荒らげていた現場に居合わせたと玖村は言う。その直後に起きた紘海の実の娘・灯のアレルギー死。この証言が、紘海の中に沈殿していた怒りと哀しみを完全に目覚めさせる。
結城の会社の面接に挑む紘海
その夜、紘海は結城の会社のHPのを見ていた。そこには「お客様の命と健康を守る」会社の理念が書かれている。紘海は強烈な違和感を覚える。心の奥底から湧き上がる怒りと悲しみを抑えきれなくなった紘海は、ついに重大な決断を下す。「どうしても諦められないことがある」として保育園の仕事を辞める決意を伝える。そして、結城の会社の面接を受ける決意を固める。
一方、週刊誌記者の東砂羽(仁村紗和)が結城に封筒を手渡す。彼女もまだ、結城の事件を追いかけているようだ。彼女がなぜそこまで熱心にこの事件を追うのか、その動機はいまだに謎だが、ただの記者としての正義感や興味関心だけではないようだ。
その頃、結城もまた「行方不明の娘を探し続けた10年間」に区切りをつけるべきではと部下から忠告を受けていた。行方のわからなくなった娘(美海のこと)を想う気持ちは本物なのだ。
面接当日。慣れないハイヒールで靴擦れを起こし、心にも足にも痛みを感じながら紘海は面接会場にたどり着く。そこには10年ぶりに対面する結城の姿があった。緊張と怒り、そして母としての使命感が入り混じった紘海は、しどろもどろになりながらも声を絞り出す。
「残念に思った」──スーパーの売り場を見た紘海の一言は、10年前の記憶と怒りが滲んでいた。「楽しい食事を子どもにしてほしい」と言い切ったその言葉には、母親としての誇りと失われた娘への想いが込められていた。
小石川(原日出子)が紘海の家を訪ねてしまう
面接を終えた紘海は、美海と電話で和解する。美海は紘海が保育園の仕事を辞めてしまうことを隠していたことを怒っていた。いつも母は隠し事が多いと。ささいな喧嘩だったが、隠し事という言葉は紘海の心を確実にえぐっていた。卒業文集に書かれていた“母の料理自慢”の記憶は、二人の間にある確かな絆を示しており、それを見た紘海は、面接が上手くいかなくても、自分には幸せな生活があることを実感していたことだろう。
しかし、面接後、結城が紘海に声をかけ、「10年前に料理教室で会ったこと」を思い出す。そして「入社までには足に合った靴を買っておいた方がいい」と言うのだった。紘海は面接に受かった。受かってしまった。ここで面接に落ちていれば、紘海は復讐の道に進まずにすんだかもしれない、そんな運命の分かれ道だったかもしれない。
しかし、とにかく結城の復讐は再び幕を開けてしまった。結城は自分自身、正しいことをしていると思っていない。しかし、諦めきれない思いがある。間違いだろうと後悔しないために進むことを決めてしまっている。
そしてその頃、保育園の園長・小石川(原日出子)が紘海の家を訪ねてしまう。小石川は、灯の死を知っている。真実が、ついに美海に知られてしまうのか――。
再び運命の歯車が狂い始めた。ここから先の展開、目が離せないものになりそうだ。
登場人物
中越紘海(北川景子)
東 砂羽(仁村紗和)
結城梨々子(平 祐奈)
玖村 毅(阿部亮平)(Snow Man)
鷲尾 勇(水澤紳吾)
野口初芽(小川李奈)
中越美海/結城萌子(一色香澄)
村杉結愛(田山由起)
鳥谷陸翔(内藤秀一郎)
小石川雪子(原 日出子)
木戸江身子(鶴田真由)
三浦勝昭(大浦龍宇一)
木戸雅人(中原丈雄)
望月耕輔(筒井道隆)
結城 旭(大森南朋)