世界最大級の映画の祭典「第78回カンヌ国際映画祭」がいよいよ閉幕を迎える。現地からは、今年のパルム・ドール最有力候補とされる3作品が注目を集めている。ヨアキム・トリアー監督の『センチメンタル・バリュー』、クレベル・メンドンサ・フィーリョ監督の『シークレット・エージェント』、そしてマシャ・シリンスキ監督の2作目『サウンド・オブ・フォーリング』である。
中でもトリアー作品は、上映後に19分間という驚異的なスタンディングオベーションを受け、映画祭史に残る評価を得た。3作品ともに配信プラットフォームのMUBIが配給権を獲得しており、MUBIの映画配給分野への本格参入が明確となった。さらに同社はリン・ラムジー監督の『ダイ・マイ・ラブ』、オリヴァー・ハーマナス監督の『ザ・ヒストリー・オブ・サウンド』も手中に収めた。
一方、米配給会社NEONも『センチメンタル・バリュー』『シークレット・エージェント』を含む5作品の北米配給権を取得。ジャファル・パナヒ監督の『それはただの事故だった』、ラウル・ペック監督による『オーウェル:2+2=5』、ジュリア・デュクルノー監督の『アルファ』も含まれる。
特に『ダイ・マイ・ラブ』はジェニファー・ローレンスとロバート・パティンソンが主演を務めるが、その内容は暗く挑戦的で、マーケティング次第で成否が分かれる作品といえる。
また今週のカンヌでは、スパイク・リー監督の新作『ハイエスト2ロウエスト』がプレミア上映された。主演のデンゼル・ワシントンは、上映前にサプライズで名誉パルム・ドールを授与され、初めてのカンヌレッドカーペットを踏んだが、上演中にはすでにニューヨークへ向かう飛行機に搭乗していたという。ワシントンは現在、ブロードウェイで『オセロ』の主演を務めている。
ガリー・リネカー、BBCを早期退職──投稿が問題視され1年繰り上げ
BBC『マッチ・オブ・ザ・デイ』の司会者で、年収135万ポンド(約1.8億円)を誇るガリー・リネカーが、Instagram投稿を巡る騒動の末、予定より1年早くBBCを退職することが決定した。投稿には反ユダヤ的なイメージが含まれていたとされ、謝罪後も「責任を取る」という形での退任を選んだ。