ホラー漫画の神様・楳図かずおが最期に手がけた「ゾク こわい本」シリーズがKADOKAWAから2025年5月23日に発売開始となった。
目次
故楳図かずお氏が生前最後に監修したコミックシリーズ
2024年10月に逝去したホラー漫画の巨匠・楳図かずお氏が、生前最後に企画・監修を手がけた「ゾク こわい本」シリーズの刊行が始まった。株式会社KADOKAWAが5月23日に『ゾク こわい本1 赤んぼ少女』『ゾク こわい本2 奇跡』の2冊を同時発売している。
本シリーズは、楳図氏が入手しづらい作品を中心に自らセレクトしたもので、新編集・デジタル修正・新装版として刊行される。多くの作品が初の電子書籍化も実現している。シリーズ名も楳図氏自身が決定したものである。
楳図かずお氏の想いが込められた珠玉の作品集
残念ながら楳図氏の体調悪化により、当初予定されていた巻末での作品解説は実現しなかったが、代わりに中野晴行氏による巻末解題を収録。さらに特別企画として「UMEZZ写真館」では青年時代のレアな写真を、「UMEZZアートギャラリー」では単行本未収録の美麗な扉絵を掲載している。
装丁は前作「こわい本」シリーズに引き続き、吉田ユニ氏が担当した。
各巻の内容と今後の刊行予定
『ゾク こわい本1 赤んぼ少女』
洋館の天井裏でひっそりと暮らすタマミと、施設から引き取られた実の娘との復讐と嫉妬を描いた表題作。戦国時代を舞台に、視力を失った残虐な姫の”影”として生きる村娘・志乃の壮絶な半生を描く「影姫」を収録。
『ゾク こわい本2 奇跡』
山で行方不明になった夫の帰りを待ち続ける妻の物語「愛の奇蹟」、NASAの海王星ミッションに参加する息子と母の究極の愛を描いた「霧の中へ」など、親子や家族の愛の苦悩を描いた全13編を収録。
今後の刊行スケジュール
シリーズは2カ月ごとに2冊同時刊行の予定で、以下のスケジュールで発売される:
- 2025年7月:『ゾク こわい本3 恐怖1』『ゾク こわい本4 恐怖2』
- 2025年9月:『ゾク こわい本5 怪1』『ゾク こわい本6 怪2』
- 2025年11月:『ゾク こわい本7 学園』『ゾク こわい本8 人の闇/猫目小僧1』
- 2026年1月:『ゾク こわい本9 森の闇/猫目小僧2』『ゾク こわい本10 心の闇/猫目小僧3』
書誌情報・価格
- 価格: 各巻1,100円(本体1,000円+税)
- 判型: 文庫判
- 頁数: 384頁
- 発行: 株式会社KADOKAWA
- 装丁: 吉田ユニ
- 装画: 楳図かずお
特別キャンペーン実施中
シリーズ1~10巻をリアル書店で購入し、購入レシートをKADOKAWAアプリに投稿した応募者全員に「楳図かずお追悼メモリアル色紙」(似顔絵付きの複製サイン色紙)をプレゼントするキャンペーンを実施している。
レシート対象期間: 2025年5月20日~2026年3月31日
楳図かずお氏について
楳図かずお氏(1936-2024)は和歌山県高野町生まれ。『へび少女』『猫目小僧』『漂流教室』『まことちゃん』など数多くのヒット作を生み出し、”ホラー漫画の神様”と呼ばれた。小学館漫画賞、手塚治虫文化賞特別賞、日本漫画家協会賞文部科学大臣賞など多数受賞。2024年10月に逝去。
関連イベント情報
UMEZZ GUWASHI CARNIVAL 2025
吉祥寺を愛した楳図氏を偲ぶイベント「UMEZZ GUWASHI CARNIVAL 2025 ~ありがとう!楳図かずお先生~」が6月1日まで吉祥寺で開催中。
楳図かずお サバラ!お別れの会
- 日時: 2025年5月28日(水)17:00~20:00
- 場所: 吉祥寺エクセルホテル東急 8階 アンバサダールーム
- 問い合わせ: 042-716-9710
「ゾク こわい本」シリーズは、楳図かずお氏の最後の贈り物として、ファンにとって貴重な作品集となっている。