相撲界からエンターテインメント業界へ転身した田代良徳氏の波乱万丈な半生を綴った書籍が文藝春秋から刊行
相撲特化型芸能事務所「SUMOエージェンシー」を運営する株式会社オープンボックス(東京都港区)の代表取締役・田代良徳氏の自伝的ノンフィクション『SUMOOOO!! 流れ流れてハリウッド』(雨宮圭吾著)が5月30日、文藝春秋から発売された。
目次
土俵からスクリーンへ 常識を覆すキャリアチェンジ
同書は、元力士がファッション雑誌「VOGUE」でモデルデビューを果たし、インド映画の主役級キャストに抜擢、さらにハリウッド映画出演を実現するという前例のない人生を描いた作品である。相撲一筋で歩んできた田代氏が怪我により引退を余儀なくされた後、新たな夢としてハリウッド進出を目指すまでの軌跡を詳細に追っている。
田代氏は1976年東京都生まれ。明治大学卒業後の1999年に玉ノ井部屋に入門し、2007年9月場所まで約8年間土俵に立ち続けた。引退後はスーパーマーケット勤務を経て、ホームページ制作・運営会社「デックス合同会社」を設立。その後、元力士としての経歴を活かしたタレント活動を開始し、2022年に株式会社オープンボックスを設立した。
元力士のキャリア支援を目的とした芸能事務所設立
田代氏が代表を務める「SUMOエージェンシー」は、相撲経験者のみが所属する国内初の相撲特化型芸能事務所として注目を集めている。現在22名の元力士が在籍し、テレビ番組、CM、映画、イベント出演など多岐にわたる活動を展開している。
同事務所の設立背景には、引退後の力士たちのセカンドキャリア確立支援と、相撲の魅力を世界に発信するという田代氏の強い思いがある。大阪の「THE SUMO HALL HIRAKUZA OSAKA」への出演をはじめ、各種メディアでの活躍を通じて、元力士の新たな活躍の場を創出している。
心の葛藤と挑戦の軌跡を丹念に描写
著者の雨宮圭吾氏は、スポーツニッポン新聞社で長年スポーツ取材に携わってきたベテランライターである。ソチ、リオ、平昌の五輪3大会を現地取材した経験を持ち、2019年の独立後はスポーツノンフィクションを中心とした執筆活動を行っている。
同書では、言葉の壁、文化の違い、偏見といった困難に直面しながらも、ハリウッドでの成功を目指す田代氏の心の葛藤と情熱を鮮やかに描き出している。日本の国技である相撲とアメリカのエンターテインメント産業が交錯する中で生まれる、予想外の展開や心温まるエピソードが多数盛り込まれている。
書籍詳細情報
- タイトル: SUMOOOO!! 流れ流れてハリウッド
- 著者: 雨宮圭吾
- カバー装画: YU SUDA
- 出版社: 文藝春秋
- 発売日: 2025年5月30日
- 価格: 1,870円(税込)
- 判型: 四六判
- ページ数: 248ページ
- ISBN: 978-4-16-391985-0
- 販売: 全国主要書店、Amazon、楽天ブックスなどオンライン書店
カバー装画を手がけたYU SUDA氏は、田代氏が語った「相撲界という豪華客船から大海原にゴムボートひとつで投げ出された」という心境を、鮮やかな色彩と遊び心あふれるタッチで表現している。
キャリアチェンジを考える読者層にも訴求
同書は相撲ファンのみならず、キャリアチェンジや新たな挑戦を検討するビジネスパーソン、人生の再スタートを目指す全ての読者層をターゲットとしている。常識にとらわれない発想と行動力で夢を実現していく田代氏の体験談は、多くの読者に勇気と希望を与える内容となっている。
株式会社オープンボックスは芸能事務所運営のほか、運送業、化粧品の企画・販売も手がける多角経営を展開している。SUMOエージェンシーの公式ウェブサイト(https://sumo-agency.com)では、所属タレントの活動情報などを確認できる。