音楽業界で話題 旧作品への注目が再燃
世界的ポップスター、テイラー・スウィフトが自身の初期6作品の楽曲権利を取得したことを発表した翌日、音楽配信サービスSpotifyにおける該当楽曲のストリーミング数が大幅に増加したことが明らかになった。
ストリーミング数の詳細な増加率
The Hollywood Reporterが入手したSpotifyの公式データによると、権利取得を発表した5月30日(金)の楽曲ストリーミング数は、4月1日から5月29日までの平均日次ストリーミング数と比較して、全ての旧作品で少なくとも2倍以上を記録した。
最も顕著な増加を見せたのは2010年リリースの『Speak Now』で、世界全体でのストリーミング数が430%増を記録。続いて、2006年のデビューアルバム『Taylor Swift』が220%増、2017年の『Reputation』が175%増となった。
その他の作品では、『Fearless』が160%増、『Red』が150%増、『1989』が110%増と、全作品で大幅な増加を示している。
音楽業界史上最大級の権利問題が解決
この楽曲権利取得は、近年の音楽業界で最も注目された権利問題の解決を意味する。2019年、音楽プロデューサーのスクーター・ブラウンがスウィフトの旧所属レーベル「ビッグマシン・レコーズ」を買収し、楽曲権利を取得したことで論争が始まった。
スウィフトは当時、この買収を「最悪のシナリオ」と呼び、ブラウンからの「執拗で操作的ないじめ」があったと主張していた。その後、ブラウンは2020年にプライベート・エクイティ会社シャムロック・キャピタルに楽曲権利を売却。スウィフトは先週、同社から権利を買い戻すことに成功した。
「テイラーズ・バージョン」の影響と今後の展開
権利取得以前、スウィフトは自身の音楽的遺産をコントロールするため、6作品のうち4作品で「テイラーズ・バージョン」と呼ばれる再録版をリリースしていた。これらの再録版は数百万枚のセールスを記録し、アルバムチャートで首位を獲得するなど、大きな成功を収めた。
今回の権利取得により、ファンの間では今後どちらのバージョンを聴くかが注目されている。スウィフトは発表の中で、『Reputation』の再録音は4分の1未満しか完了していないものの、デビューアルバムの再録音は既に完了していることを明かした。
「この2つのアルバムも、適切なタイミングで再び脚光を浴びる瞬間を持つことができる。もしそれが起こるとしても、悲しみや切望からではなく、純粋な祝福として行われるだろう」とスウィフトはコメントしている。
数字で見るスウィフトの影響力
スウィフトはSpotifyで月間8,200万人以上のリスナーを持つ、最も聴かれているアーティストの一人である。今回の権利取得発表日には、全体のストリーミング数も40%増加し、その影響力の大きさを改めて示した。
音楽業界関係者は、今回の出来事がアーティストの権利意識向上と、楽曲権利の重要性について業界全体に与える影響に注目している。
ソース;Taylor Swift’s Spotify Streams Spike After She Bought Her Masters