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カリフォルニア州知事ギャビン・ニューサム、国家警備隊の即時撤退を要求「州の主権への重大な侵害だ」


ロサンゼルスに国家警備隊が投入されたことを受け、カリフォルニア州知事ギャビン・ニューサムは2025年6月8日、バイデン政権に対し即時の撤退を求める公式要請を行った。ロサンゼルス各地では、米国移民・関税執行局(ICE)による強制捜査に対する抗議活動が激化しており、それに対する連邦政府の対応が波紋を呼んでいる。

トランプ大統領令に反発「命令を撤回せよ」

ニューサム知事は自身のInstagram上で、国防長官ピート・ヘグセス宛に送付した公式書簡を公開。「この違法な展開命令を撤回し、カリフォルニア州における国家警備隊の指揮権を私に返還せよ」と訴え、「トランプが介入するまでは問題は起きていなかった。これは州の主権に対する重大な侵害であり、事態をさらに悪化させている」と強く非難した。

トランプ前大統領は6月7日夜、自身のSNS「Truth Social」にて「州と市が職務を果たせない場合、連邦政府が介入する」と投稿。その後、国家警備隊のロサンゼルス派遣を正式に命じる大統領覚書を発出した。これにより、2,000名のカリフォルニア州兵が60日間、連邦指揮下に置かれることとなった。

合法性に疑問「10 U.S. Code § 12406 に反する」

ニューサム知事は書簡の中で、連邦政府が国家警備隊を連邦任務に動員する場合、州知事に対する正式な通知と承認が必要であると指摘。これは米国法典第10編12406条に規定されているが、今回の動員については知事に対する正式な連絡や承認手続きがなかったとし、「違法な命令」であると強調した。

「現在のロサンゼルスには国家警備隊の派遣を必要とする状況は存在しない」と書簡には明記されており、「州が本当に必要とする場所へ人員と資源を配置する権利を奪っている」とも述べている。

ロサンゼルス市長も抗議「恐怖を煽る行為だ」

ロサンゼルス市長カレン・バスもX(旧Twitter)上で声明を発表し、「この展開は混乱を拡大するものであり、市民に恐怖を与えている。今私たちの都市が必要としている最後のものだ」と批判。「抗議活動は平和的に行うよう呼びかける」と訴えた。

ハリウッドからも反応、著名人が続々声を上げる

週末にかけてロサンゼルス市内では、ICEによる強制捜査への抗議デモが各地で行われ、パラマウント地区のホームデポやメトロポリタン拘置センターなどで対立が発生。8日にはボイルハイツからダウンタウンへの大規模なデモ行進も実施された。

俳優のマーク・ラファロやペドロ・パスカル、コメディアンのティム・ハイデッカー、女優のハンナ・アインバインダー、WGA(全米脚本家組合)も声を上げており、トランプ政権による対応と国家警備隊派遣に対して抗議の意志を示している。

ソース:Gavin Newsom Demands Trump Remove National Guard From L.A.