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『初恋DOGs』第4話レビュー:孤独な御曹司ソハ(ナ・イヌ)が見せる”大型犬の捨て犬”の眼差しが庇護欲を掻き立てる


『初恋DOGs』第4話は、白崎快(成田凌)とウ・ソハ(ナ・イヌ)の奇妙な同居生活を軸に、登場人物たちの心が大きく揺れ動く様を描き出した。特に、財閥の肩書を失ったソハが垣間見せる孤独と健気さは、視聴者の心を強く掴んだに違いない。その姿は、まるで飼い主を失った”捨て犬”のようであり、切なくも愛おしい魅力を放っていた。

奇妙な同居生活が生む不協和音と、新たな絆の兆し

 

父親に勘当され、文字通り無一文になったソハが白崎の家に転がり込むところから物語は始まる。将軍(レオ)の相続問題で対立していた二人の同居は、案の定、ぎこちない。動物病院を手伝えば女性客を魅了しすぎて秩序を乱すとクビになり、生活習慣の違いから白崎のストレスは溜まる一方だ。

しかし、そんな対立構造の中に、二人の人間性が滲み出る。友情など要らないと突き放しながらも、朝に弱いソハのために二人分の朝食を用意してしまう白崎の不器用な優しさ。そして、二人の間を取り持とうと食事会を開くソハのお節介。犬猿の仲に見える二人だが、この共同生活が、やがて生まれるであろう新たな関係性の礎となることを予感させる。

一方で、花村愛子(清原果耶)は弁護士として大きな岐路に立たされる。所属する事務所が、将軍を巡る裁判でソハの実家であるウロアグループの弁護を担当することが決定。これにより、愛子は仕事上、白崎と敵対する立場に置かれてしまう。白崎への想いと仕事との間で、愛子の葛藤は深まっていく。

 

孤独なソハの心に差し込む光

 

財閥の御曹司という”飼い主”を失ったソハの姿は、痛々しいほどに孤独だ。姉からの電話では、一族から孤立する現実を突きつけられ、「ずっとひとりだ」と寂しげに呟く。きらびやかな祭りの夜、楽しげな人々を遠巻きに眺めるその背中は、彼が抱える深い孤独を雄弁に物語っていた。

そんなソハの心の翳りを、愛子は見逃さない。「日本では、あなたはただのソハだ。自由だ」という愛子の言葉は、財閥の跡継ぎという重圧に苦しんできたソハにとって、何よりの救いとなったはずだ。彼の明るさや人懐っこさが、孤独を隠すための鎧であったことを見抜いた愛子の優しさが光る場面であった。

飼育放棄されかけた犬を、機転を利かせて飼い主の元へ帰した一件も、ソハのキャラクターを際立たせた。「ペットには飼い主しかいない」という白崎の言葉は、そっくりそのままソハの現状に重なる。将軍は迷い犬だったが、今やソハこそが”捨て犬”のようだ。その寂しげで、どこか甘えるような子犬のような眼差しは、見る者の庇護欲を強く掻き立てる。ナ・イヌの表現力が、ソハというキャラクターに抗いがたい魅力を与えている。

新たな登場人物がもたらす波乱の予感

 

物語の終盤、ソハの健気な姿に絆されたのか、白崎は居候の延長を許す。そんな矢先、動物病院を相楽岳(森崎ウィン)と名乗る男が訪ねてくる。「久しぶり」という言葉から、彼が白崎の過去を知る重要人物であることは明らかだ。彼の登場は、愛子と白崎の初恋の謎、そして将軍を巡るサスペンスに、新たな波乱を巻き起こすだろう。

それぞれの想いと過去が交錯し、物語はさらに深みを増していく。特に、孤独を抱えながらも懸命に前を向くソハの姿から、ますます目が離せない。

火曜ドラマ『初恋DOGs』|TBSテレビ