TBSの金曜ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』2話まで見たが、見ごたえのあるドラマだ。
まず、キャラクターが立っていて良い。主人公の心麦(広瀬すず)は受け身なキャラクターのようでいて、結構芯が強い。弁護士の松風(松山ケンイチ)の飄々とした感じの弁護士も面白いし、週刊誌記者の神井(磯村勇斗)の利己的に真実を追求する、食えない感じも一筋縄ではいかない感じのドラマを構成している。
物語の引っぱり方も、巧みだ。1話で心麦と父親の春生(リリー・フランキー)が実の親子ではない可能性を神井が言及し、2話で確証となるDNA鑑定結果(叔母と心麦の血のつながりがないことを示す結果だが)を、持ち出し、殺害された父親こそ事件の核心にいるのでは?という疑惑を抱かせる。
このドラマは、心麦の春生に対する信頼がベースにあって、それを土台にしているストーリーなので、その信頼が崩れていくと、どこに着地するのか、容易には予想できない。サスペンスとしてとても続きが気になる展開になっている。
また、第二話では春生の残した手紙が、捏造の可能性も指摘される。そして、春生殺害の容疑をかけられている遠藤友哉(成田凌)と神井がつながっていて、重大な資料を持っていることも示唆される。
単なる怨恨の殺人だけでは終わらない、背後の深さがどんどん出てくる感じが面白い。刑事の赤沢とその妻も何かを隠していそうな雰囲気を醸し出している。登場人物みんな怪しく見えてくる。森崎ウィン以外はみんな怪しく見えてくる。屋台のラーメン屋のおじさん・染田進(酒井敏也)すら怪しい。なんで、春生はこのおじさんに手紙を託したのか、あの手紙が捏造ならば、このおじさんもまた事件の渦中にいるかもしれない。
謎が謎を呼ぶ展開で、惹きつける構成が上手い。脚本の金沢知樹さんは、今期は本作に加えて『東京サラダボウル』も書いていて、大活躍である。
3話の予告もすでに衝撃的な情報がふくまれていそうな感じだった(おじさん・・・?)。今後の展開も気になるので視聴を継続しよう。