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パラマウントがトランプ氏への和解金支払いを検討 カリフォルニア州上院が調査開始、CBS元幹部の証言も要請


パラマウント・グローバルがドナルド・トランプ前大統領による200億ドルの訴訟を和解で終結させようとしている件について、カリフォルニア州上院が調査を開始した。同時に、元「60ミニッツ」エグゼクティブ・プロデューサーのビル・オーウェンズ氏と元CBSニュース・ステーション責任者のウェンディ・マクマホン氏に対し、証言を求める書簡が送付された。

スカイダンスによる買収をめぐる疑惑

CBSを傘下に持つパラマウントは、現在進行中のスカイダンスによる80億ドルの買収案件において、ドナルド・トランプ氏との和解を交渉中であると報じられている。同氏は2024年の選挙直前に「60ミニッツ」の編集内容に対し、テキサス州の消費者保護法に基づき訴訟を提起していた。

これに対し、カリフォルニア州上院エネルギー・公益事業・通信委員会および司法委員会のジョシュ・ベッカー上院議員とトーマス・J・アンバーグ上院議員は、「この和解が州の贈収賄法および不正競争法に違反する可能性がある」として、調査に着手。両氏は書簡の中で、「内部の倫理的懸念を理由に辞任したとされるオーウェンズ氏とマクマホン氏が、本件に関する重要な証言を持つ」として、任意での公聴会出席を求めた。

報道の自由への脅威

調査を主導する両上院議員は声明で、今回の和解交渉が「政治的な訴訟が規制圧力と組み合わさることで成立しうるという悪しき前例をつくる」と強く批判している。

「この和解はCBSニュースおよびカリフォルニア拠点のメディアに対する信頼を損ない、倫理的ジャーナリズムの地位を貶めるものである」とし、自由な報道と公正な法制度という民主主義の根幹を揺るがしかねないと警告を発している。

トランプ氏、和解金を拒否 さらなる要求か

関係者によれば、パラマウントがトランプ氏に提示したのは1,500万ドル規模の「8桁」和解案だったが、同氏はこれを拒否。より高額な賠償を求めて交渉が継続中であり、スカイダンス買収の承認に向け、さらに金額が上乗せされる可能性が高いと見られている。

この件については、すでに米連邦議会上院のエリザベス・ウォーレン議員(民主党・マサチューセッツ州)、バーニー・サンダース議員(無所属・バーモント州)、ロン・ワイデン議員(民主党・オレゴン州)らも「連邦贈収賄法違反の可能性がある」と警告を発しており、注目が集まっている。

FCC委員長発言との矛盾

パラマウント/スカイダンス合併を審査する米連邦通信委員会(FCC)のブレンダン・カー委員長は、「60ミニッツ」訴訟が審査に影響を与える可能性を認めながらも、今月初めには「訴訟と合併審査は無関係」と述べている。しかし業界関係者からは「現実を無視した発言」と疑念の声も上がっている。

ソース:Paramount Plan To Pay Off Trump Sparks California Senate Probe