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宮崎駿監督作品の制作過程を公開、北米初展示の貴重な原画も
アカデミー映画博物館(Academy Museum)は、2026年2月14日から2027年1月10日まで、スタジオジブリの名作「崖の上のポニョ」(2008年)に焦点を当てた特別展覧会「Studio Ghibli’s PONYO」を開催すると発表した。
同展覧会は、アカデミーミュージアムが2021年に開催した記念すべき初回展覧会「宮崎駿」に続く第二弾として企画されている。会場となるワンダギャラリーのレベル2(L2)では、手描きアニメーションの伝統的な制作プロセスと、「ポニョ」が持つ独特の魅力を多角的に紹介する。

魔法の水中世界と手描きアニメーションの芸術性
展覧会では、映画「崖の上のポニョ」の最大の特徴である魔法的な水中世界の表現と、手描きによる流動的で美しい描画技法に焦点を当てる。作品に込められた「変身」「人間関係」「喜び」といったテーマも、視覚的な展示を通じて深く掘り下げられる予定だ。
特に注目すべきは、スタジオジブリからアカデミーコレクションへの独占的な資料提供である。これらの貴重な原画や制作資料の中には、北米で初めて展示されるものも含まれており、ジブリファンにとって見逃せない機会となっている。
体験型展示で全世代が楽しめる空間を実現
展覧会は単なる鑑賞だけでなく、参加型の体験も重視している。来場者は以下のような体験型コンテンツを楽しむことができる:
インタラクティブアニメーションテーブルでは、来場者が自分だけのアニメーション作品を制作できる。この体験を通じて、伝統的な手描きアニメーションの制作プロセスを実際に体感することが可能だ。
子どもたちを対象とした没入型環境展示では、映画の舞台となる魔法の海中世界に足を踏み入れることができる。遊び心に満ちたこの空間は、若い世代にもアニメーションの魅力を身近に感じてもらうことを目的としている。
宮崎駿の直筆原画など100点以上の貴重な資料を展示
展覧会の目玉となるのは、スタジオジブリが厳選した100点以上の展示資料である。これらには以下のような貴重なアイテムが含まれる:
- 宮崎駿監督とスタジオジブリスタッフによる原画
- 制作過程で使用されたアートボード
- 映画宣伝用ポスター
- 実際にスタジオで使用されていたアニメーション制作デスク
これらの資料は、映画制作の舞台裏を知る貴重な機会を提供し、手描きアニメーションの技術的な側面から芸術的な価値まで、幅広い視点で「ポニョ」の世界を理解することができる。
入場料と開催詳細
展覧会への入場は博物館の通常入場料に含まれており、追加料金は不要である。事前予約制となっているため、公式ウェブサイトでの予約が推奨される。
展覧会は、シニア展覧会キュレーターのジェシカ・ニーベル氏が監修し、アシスタントキュレーターのエミリー・ラウバー・ロドリゲス氏がサポートしている。
スタジオジブリ作品の海外展示は常に注目を集めており、今回の展覧会も世界中のアニメーションファンから大きな期待が寄せられている。手描きアニメーションの伝統技法と現代的な展示手法を融合させた本展覧会は、映画芸術の新たな鑑賞体験を提供することが期待される。
公式サイト:Studio Ghibli’s PONYO