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映画レビュー「J・エドガー」

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大分更新が滞りました。すいません、熱だして一週間倒れてました。インフルエンザではなかったのですが、38.8cまで熱が出ました。こんなに高い熱を出したのは小学生の時以来じゃないかな。僕は平熱が35c後半くらいの人間なんでけっこうつらかったですね。。。

で、止まった時計を戻すために、熱出す前に観た映画のレビューでも書いてみます。

http://blog.movie.nifty.com/より転載

クリント・イーストウッド監督の最新作、「J・エドガー」を観てきました。イーストウッド映画に外れなしですね、相変わらず面白い。
FBI初代長官であり、その座に48年間も居座り続けた近代アメリカの陰の権力者、エドガー・フーバーを描いたこの作品、8人もの米国大統領を恐れさせた男の人生の光と闇を描いた作品なわけですが、タイトルが良く知られた姓の「フーバー」ではなく、「J・エドガー」としているところにこの映画がどこにフォーカスを当てているのかよくわかりますね。
物語の基本線は、フーバーとその母親、副長官であるトルソンとの関係となります。とりわけ副長官との恋愛映画という趣の作品ですね。

しかしながら、やはりそこはイーストウッド作品、ただの個人史的な映画には留まらない深さを持ってます。
許されざる者もそうだし、グラン・トリノなんかは最たる例ですが、イーストウッド作品はアメリカという国を理解する上で役立つ作品が多いです。意識的にそういう作品を選んでいるんでしょうか。

フーバーは、事件の操作に科学的手法を最初に導入した人物であり、国会図書館の書蔵をデータベース化したりと仕事ぶりはインテリアメリカ人らしく合理的マインドに基づいている反面、共産主義や黒人に対する非合理的ともいえる憎悪を持ち合わせています。そのフーバーの相反する二面性は、アメリカという国の性格をよく表していると思います。

そうした男が実に48年間もFBI長官という座に座り続けたという事実は端的に驚きですが、数々のスキャンダルを握り、陰からアメリカという国を操っていたことを思えばアメリカという国のそうした二面性を形作るのにフーバーという人物に実際にかなり寄与していたのでしょうね。

また母親からの教えに基づくマッチョ思想みたいなものも強く持っている人物として描かれているのですが、それもアメリカの保守層にたしかによく見られるものです。マッチョ思想でありながら同性愛者であるというところがこの人物の捻れであり、一番物語として魅力的なポイントです。

それにしてもディカプリオの演技は大変素晴らしく、これでもオスカーにノミネートされないとはどういうことだ、と思いますね。今年はそんなにレベル高いのか。

しかし、このじいさんはカッコいいな。。。。

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