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アニメ『惡の華』について。原作超える薄気味悪さの正体と閉塞感を破る挑戦

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アニメ惡の華が大変面白い。あれほど不穏な、気味の悪さを突きつめると、人の心を抉り取る娯楽作品になり得るということを証明している。デビッド・フィンチャーの「セブン」なども一切の救いのない物語だったが、人の醜い心を、膿を出し切るかのように描写し、それによって不快感も突き抜ければ娯楽になり得ることを証明していた。

そうした作品が日本のTVアニメでお目にかかれるとは思ってもいなかった。中学時代のどす黒い感情を、ナイフで斬りつけて抉り撮るような作品。その切れ味は原作以上に鋭い。
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via アニメ「惡の華」公式サイト

アニメ惡の華を巡る言説について

賛否両論、という言葉は作品を紹介する際には何の意味もない言葉で好きじゃないですが(だって賛否両論ない作品ってあるんでしょうか)、この作品を巡ってはこの言葉がよく使われますね。
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映画レビュー『ザ・マスター』

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さて、レビューを書こうにも非常に難解であるこの作品。どう紹介していいものか迷います。たんに難解であるだけでなく、題材として人の理解できない混沌からの何やら脱却(超越)しようとしている男たちの物語であり、その意味ではシンプルな物語理解に落とし込むとかえって本質から逸れてしまうような気がしています。

とはいえこうした作品に興味のない方にも興味を持っていただくためにレビューは存在すると考える僕としてはなんとか頭をひねって言葉を紡がないといけません。いや、相当の難物ですね、これは。

(C)MMXII by Western Film Company LLC. via eiga.com

(C)MMXII by Western Film Company LLC.
via eiga.com




この映画に登場するザ・コーズという宗教団体は、アメリカのサイエントロジーをモデルにしています。ポール・トーマス・アンダーソン監督自身が明確にインタビューなどでもモデルとしてサイエントロジーを参考にしたことは語られています。この団体は50年代に誕生して以来、社会と様々な衝突を起こしてもいますが、存在の是非を問うような作りにはなっていません。
物語の中心はむしろ、ホアキン・フェニックス演じる戦争でアルコール依存症を患い、人生を狂わせた男と、フィリップ・シーモア・ホフマン演じる宗教団体「ザ・コーズ」のマスターとの父と子のような関係性にあります。孤独な魂を持つもの同士の疑似家族としての共同性を描いた作品と言えそうです。ある意味、非常に普遍的な物語であるわけです。

そして、わざわざ当時の映画でよく使用されていた65mmフィルム(美しい!)を用いて撮影していることでもわかる通り、この作品は時代性を非常に意識したものでもあります。1950年当時のアメリカ社会の状況を知ることもこの映画の理解を深めるポイントとなるでしょう。
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ヒドい映画も見捨てない映画館。映画レビュー「インターミッション」

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銀座シネパトスが閉館した。
銀座シネパトスとはどんな映画館だったか。熱心な映画ファンならお馴染みのこの銀座のど真ん中、4丁目の交差点のすぐ側の地下にある、昭和から時が止まったかのような空間にある3スクリーンの映画館。
東京中の映画館に足を運び、アメリカのLos Angelesにも住んでいろんな映画館を見てきたが、シネパトスほどヒドい立地の映画館はなかった。日比谷線に電車が通過するたびに揺れる映画館。映画のクライマックスでゴウンゴウンうるさい映画館てなんなんだと、という話だ。銀座の一等地なのに全然一等地らしくないこの映画館はしかし不思議な魅力に包まれていて、あの地下の入り口に引き寄せられるのだ。

何と言っても上映ラインナップが魅力的だった。映画なら何でもありという感じのラインナップ。溝口健二やフェリーニを特集したかと思えば、怪獣映画もやるし、スティーブン・セガールの全然沈黙してない沈黙シリーズを黙々と上映し続けていたりする。
シネパトスはどんな映画に対しても驚くほどに平等に接していた。気取って拡張高い芸術作品や斬新な作品ばかりを褒め称えたりしなかった。かといって逆方向に気取ってB級映画やカルト映画ばかり持ち上げたりもしなかった。

名作もくだらない作品も、ここにはあった。どんな映画にも価値があると本気で信じているかのようなラインナップだった。どんな映画もリスペクトしていた。
インターミッション [DVD]

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映画の罪のみそぎ。映画レビュー「ジャンゴ 繋がれざる者」

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大変素晴らしい作品だった。個人的にはタランティーノの最高傑作だと思う。アメリカ史にとって、そしてアメリカの映画史にとっても重いテーマを扱っているが、徹頭徹尾娯楽に徹している。だからといっておもちゃにしてふざけているわけではない。この作品は西部劇の痛快さを少しも損なうことなく、西部劇があまり触れてこなかった暗部をさらけ出している。
ジャンゴ 繋がれざる者(監督:クエンティン・タランティーノ 主演:ジェイミー・フォックス、 クリストフ・ワルツ) [DVD]


この映画は2つのジャンルの合体作と見て取れる。西部劇とブラックスプロイテーションだ。
西部劇とはアメリカの西部開拓時代を舞台にしたカウボーイたちの活躍を描く作品。アメリカのフロンティア精神の象徴として根強い人気を誇るこのジャンルは、そのほとんどの作品は白人のカウボーイのヒロイックな活躍を描くものだ。いろんな亜流はあるが、西部劇の王道はやはりそんな感じだろう。

ブラックスプロイテーションは、主に70年代に生まれた黒人向けに制作されたB級映画のことで、白人の牛耳るハリウッドが黒人の観客を食い物にするという皮肉も込めてそう呼ばれるのだが、その内容は黒人受けするように黒人主人公は白人の悪役を痛快にやっつけるという類の作品が多かった。タランティーノの「ジャッキー・ブラウン」の主役を務めたパム・グリアーは、ブラックスプロイテーションの代表的なスターだ。

このジャンルが生まれた背景には、公民権運動後に平等な権利を獲得した黒人たちだが、急に社会全体の黒人に対する扱いが変わることもなく、そうした溜まった鬱屈もあった。実生活では不遇な扱うを白人から受けていた黒人たちがスクリーンで痛快に白人をやっつける同士たちにカタルシスを見いだしていたわけだ。
ブラックスプロイテーションというジャンルは、そうしたアメリカ社会の歪みから発生したとも言える。

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【ネタバレあり】映画レビュー『フライト』

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本作は宣伝の印象から受けるサスペンス映画ではなく、信仰や誠実さと利己主義の狭間で葛藤する男の物語だ。飛行機の不時着の瞬間に教会を破壊するシーンに始まり、飛行機から逃げまとう信者たち、副操縦士の信心深さや、ドラッグ中毒から抜け出そうとする女性、ガンに蝕まれている入院患者のセリフなど随所に神や運命とは何かを問う仕掛けが施されている本作。実に見応えある骨太ドラマ。
フライト FLIGHT 映画パンフレット 監督 ロバート・ゼメキス キャスト デンゼル・ワシントン

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映画レビュー『世界にひとつのプレイブック』

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人生で大切なものを失うことは誰にもあると思います。理不尽に奪われる場合もあれば、自分の馬鹿で失ってしまう場合もあり。人生いろいろであります。

しかし、精神疾患によって何かを失うのは、周囲も本人もどう捉えるべきか難しい。病気は外的要因、しかし、心の持ちようは本人の問題にも見える。病気でコントロールが効かないのだ、と訴えても周囲はなかなか理解してくれなかったり。そういうギャップがますます苦しみを生んでしまう。

ジェニファー・ローレンスがアカデミー主演女優賞を受賞した『世界にひとつのプレイブック』は心を病んだ人たちの物語です。プレイブックとはアメフトにおける作戦図のこと。
主人公は病院から退院したばかり、ヒロインも夫と死別して、ヤリマンになり、会社をクビになる。主人公の父親も脅迫観念とも取れるほどにジンクスを信じまくっている。

しかし、全然重い映画ではなく、むしろ爽やかが鑑賞体験ができるのは本作の特徴。ちょっとおかしな連中だが、それは特別なものでもなんでもない、という製作姿勢が非常によく伝わってくる。重く描いていればかえって特別なもののような印象を与えてしまうでしょう。
世界にひとつのプレイブック (集英社文庫)
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【ネタバレあり】映画レビュー劇場版「とある魔術の禁書目録 エンデュミオンの奇蹟」

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大人気ライトノベルシリーズ、禁書目録の劇場版がついに公開となりました。

早速見に行って来ました。限定10万3000冊のオリジナルストーリーの小説もゲットしましたよ。映画の方もオリジナルストーリーですが、この小説もオリジナルストーリー。鎌池先生はどれだけ働く気なのか。

さて、劇場版ですが、禁書ワールドの時系列的には、大覇星祭の直前の出来事となります。特典の小説はさらにその少し前。黒子主役の「残骸」編の後になります。


ネタバレ含むレビューとなりますのでご注意ください。
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via 劇場版「とある魔術の禁書目録-エンデュミオンの奇蹟-」公式サイト

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世界を舞台にアメリカの国内問題を描く。映画レビュー「ゼロ・ダーク・サーティ」

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2011年、9.11の首謀者とされるオサマ・ビン・ラディンを米軍が殺害したとの報が流れた時、アメリカでは確かにそれを歓迎するようなムードがあった。僕のフェイスブックの友人にも正義は貫徹されたと書き込むテキサス出身の白人もいれば、ビン・ラディン殺害の後になされたオバマ大統領のスピーチに心から拍手すると書いていたインド出身の女の子など、様々な反応があった。その時、すでに僕はアメリカから日本に帰国していたので、その空気を現地で感じるきかいはなかったのだが、フェイスブックを通じて微かにそれは伝わってきた。確かにオサマ・ビン・ラディンの殺害は、21世紀のアメリカにとって一大ビッグイベントだったろう。



ハート・ロッカーとグリーン・ゾーン


キャスリン・ビグロー監督はオスカー作品賞を受賞した『ハート・ロッカー』でイラク戦争を題材にした作品を撮っている。ほぼ全編イラクを舞台にした作品であるが(撮影は米国内)、徹底的にアメリカの国内問題を描いていた。イラクという周りはみな敵だらけでどこから狙われているのか、どこに爆弾が仕掛けられているかわからない場所で、大義のない戦争に参加した兵士たちの苦悩を通じて当時のアメリカ社会の抱えていた問題意識をとてもリアルに描いていた。当時僕はアメリカに住んでいたので、その空気をリアルに体感できた。

しかし、ハート・ロッカーはイラクを舞台にしておきながら、アメリカの国内問題だけを描いた作品だった。そこにアメリカ以外の外部の視点はない。アメリカ自身の反省は描くが、もう一人の当事国であるはずのイラクについては描いていない。

ハート・ロッカーと同時期にイギリス人監督のポール・グリーンダラスが『グリーン・ゾーン』という作品がある。この作品もイラクを舞台にした大量破壊兵器を巡るいざこざを描いていて、やはりアメリカの国内問題なのだが、最後にマット・デイモン扮する主人公にずっと協力していたイラク人、フレディの「裏切り」により、そうした国内的な視点しか持たないアメリカの姿勢そのものを批判する作品になっていた。この映画をハート・ロッカーと同じくアメリカ的な自己中心的な世界観に基づいて作られたと評するのは謝り。むしろ一流の娯楽作品として展開させておいて、その後のどんでん返しでアメリカ批判を、外部の視点からしてみせた作品だった。
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映画レビュー「レ・ミゼラブル」

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噂に違わぬ素晴らしい作品でした。

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via 映画『レ・ミゼラブル』公式サイト 大ヒット上映中!

日本人はミュージカル苦手と言われたりして、いろんな人と話すと「ミュージカルか〜、苦手なんだよねえ」とよく言われるのですが、この作品、大ヒットしてますね。
レ・ミゼラブルの興行収入がミュージカル史上最高に

すでに興行収入は42億円突破で、オスカーレースにも絡んでいることから、まだまだロングランヒットする可能性があります。50億超えも射程圏内ではないと思われます。

超有名な原作とはいえ、それほど日本人に馴染みのある作品とも思えない本作。国内興行における洋画の不振もある中で、しかもミュージカル。オスカー候補である以外は、不利な要素満載ですが、フタを開けてみれば大ヒット。このヒットの要因は何でしょうね。


とにもかくにもこれで日本人のミュージカルに対する苦手意識が無くなってくれればいいな、と思います。歌と踊り自体が嫌いという人はほとんどいないと思うので、ミュージカルを楽しむコツというか、文脈され理解すればすんなりその世界に入り込めると思うのですね。

僕のミュージカルを楽しむコツの説明の仕方は、漫才のボケとツッコミに例えます。これが日本人ならこれが一番身近でわかりやすいかな、と思ったので。

ミュージカルを嫌い、と言う人にその理由を聞くと、圧倒的に一番多い返答は「いきなり唄いだす意味が分からない」というもの。たしかに人は突然唄いだしたりしませんからね。

それを漫才のボケに例えて説明します。普通、人は突然ボケて変なこと言い出したりしないだろ、と。(天然の人は除く)考えてみてた、いきなりボケだす意味わかるのかと。ていうか意味とか考えてみないだろ、と。
あれは人の滑稽さを演出してわかりやすく提示してるのだと。ミュージカルはそれを歌でやってるんだよ、と説明してます。

割とわかってくれますよ(笑)


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映画レビュー「テッド」

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面白いですよ。ふだん下品なものが本当は好きなんだけど、一目を気にして好きと云えないそんな女性向けの作品ですよね、これ。
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ファミリー・ガイの男、セス・マクファーレンはさすがわかっている。ファミリー・ガイの犬、ブライアンもどんだけ悪態ついても憎めない。次男のステューウィーも同様。メグはオレの心の女。

クマのぬいぐるみに命が宿るというファンタジーなので、あまり細かいディテールに突っ込むのは野暮というもの。
どういう理屈で命が宿ったんだ、とか飲んだビールはあのぬいぐるみのどこに入ってくのかとか、生殖機能のないぬいぐるみなのに、なぜ性欲があるのかとか、そいいう突っ込みはなしにしましょう。細かいことにネチネチこだわるつまらない男だと思われてしまいますから。
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