Googleを舞台にしたコメディ映画が公開されるそうです。オフィスの雰囲気がわかるかな。
グーグル舞台のコメディー映画、来月7日に全米公開へ | エンタテインメント | Reuters
米グーグル(GOOG.O: 株価, 企業情報, レポート)を舞台に繰り広げられるコメディー映画「The Internship(原題)」が全米で来月7日に公開される。主演はビンス・ボーンとオーウェン・ウィルソン。
タイトルは「The Internship(インターンシップ)」というタイトルですが、若者が主人公じゃないんですね。主人公は時計のセールスマンをしていた中年の男がGoogleに就職を目指すためにインターンを始めるというお話らしい。
公式サイトはこちら。やはりGoogleっぽいデザインになってますね。
The Internship | Official Movie Site | In Theaters June 7
予告編はこちら。
中年の男たちが世代も考え方もちがう若いギークたちに囲まれて奮闘するといったジェネレーションギャップによる笑いを描くコメディといったところでしょうか。CEOのサーゲイ・ブリンもカメオ出演しているらしい。
撮影も実際のGoogleの本社で行っているいるシーンもあるようです。しかし、ここまでおおっぴらにIT系の会社が映画の製作に協力するのは珍しい。
最近だと、ITを題材にした映画といえばフェイスブックの「ソーシャルネットワーク」がありますけど、あれは完全に敵対ムードでした。実際脚本家もあの映画の原案となった本の著者も監督もだれもマーク・ザッカーバーグに面会もできていないのです。ほとんどフェイスブックはあの映画には強力しませんでした。
対してGoogleはオフィスを撮影に解放し、CEOがカメオ出演とずいぶんな大盤振る舞いですね。この映画の協力についてラリー・ペイジはGoogle I/O1で「我々がこの企画に参加しようと思ったのは、コンピューターサイエンスの分野がマーケティングに問題を抱えていると考えたからだ。我々は社交性がなく、扱いにくい存在だと思われているからね(意訳)」
Google goes Hollywood with ‘The Internship’
シリコンバレーとハリウッドはある程度、著作権などの分野では対立するような立場であり、カルチャーも全く違う世界ですが、ヘタに敵対するよりもこうして映画を使って上手くPRにつなげた方が得策ですよね。フェイスブックはその辺、失敗だったと思うな。何しろ創業者はひどく矮小な人間として描かれてしまったわけですから。
ローレンス・レッシグが書くように、あの映画は事実でない脚色がたくさんあり、映画の完成度の高さゆえに絶賛もされましたが、批判もたくさんされています。
アメリカのサイバー法の権威、ローレンス・レッシグによるソーシャル・ネットワークのレビュー
それと、GoogleはYouTube向けのスタジオをハリウッドに作っていますし、YouTubeはオリジナルコンテンツの拡充も測っていますしハリウッドやテレビ局と敵対する気はあまりないのでしょうね。
YouTubeがオリジナルチャンネルをさらに拡大し、テレビ化が加速する
ただ、ロイターの英語版の記事を読む限りでは最終的な映画の仕上がりにGoogle側が満足しているというわけでもなさそうです。ギークやナードのステレオタイプな描写が多いという不満をもっているようです。しかし、コメディ映画ってそういう誇張が必要なものなのでね。。。
それとストリップクラブで泥酔するシーンがあるらしいんですが、そのシーンにも難色を示したとか。。まあ、イメージは良くないけど。
というか映画制作側は、最終編集バージョンをGoogle幹部に見せないまま完成にこぎつけたらしい。Google側に提示したのは初期編集バージョンだったとのこと。
しかし、Propaganda GEM product placement firmのRuben Igielko-Herrlichさんが「どんな作品の出来でも映画を祝福すべきです。それが映画のネガティブな要因を和らげるもっともいい方法です」と記事の中でおっしゃっていますが、それが大人の対応なんでしょうね。とにかく協力した実績自体はライバルのフェイスブックと比較された時に明らかにプラスに作用するでしょうし。
まあ、デビッド・フィンチャーのシリアスなオスカー候補レベルの作品じゃなく、ビンス・ボーンの気楽なコメディですから、そういう意味でもダメージは少ないんじゃないかと。(むしろ表だってコメディに目くじら立てるのもかっこ悪いし)
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