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是枝裕和監督の最新作『怪物』について話を聞いてきました

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 ハフポストで、是枝裕和監督の最新映画『怪物』についてインタビューしてきました。

 「怪物」はいるのか、いないのか。是枝裕和が坂元裕二・坂本龍一と組んだ最新作で見せた新境地【インタビュー】 | ハフポスト アートとカルチャー

 インタビューはカンヌ前に行いました。そのため受賞については聞いてないです。

 是枝監督と坂元裕二さんのコンビは意外というか、これまでの作品とは異なるものになりそうだなとおもっていたんですが、実際今までとは違う要素もありながら、是枝映画だなと思う面も多々あり、かつ坂元さんの持ち味も生きていて素晴らしい作品でした。

 加えて坂本龍一さんの音楽最後のしごとということで国際的にも注目される組み合わせですね。

 
 
 以下、原稿作成時のメモと構成案。
 
 
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参考
是枝裕和×坂元裕二、似た物同士もアプローチは正反対? 映画『怪物』の鍵は川村元気か|Real Sound|リアルサウンド 映画部

是枝裕和監督×脚本家:坂元裕二が語る!『三度目の殺人』是枝監督が、坂本『それでも、生きてゆく』から得た影響とは? – シネフィル – 映画とカルチャーWebマガジン

– 坂元裕二×是枝裕和トークショー『ドラマの神様は細部に宿る』 – 青春ゾンビ

被害者が加害者に見えたり、加害者が被害者に見えたりする。これは最新作『カルテット』にも通ずる坂元作品のマナーのようなものだ。これはこのトークショーでは言及されていなかったのだが、『問題のあるレストラン』終了時に敢行された対談において(是枝裕和対談集『世界と今を考える 1』に収録)、是枝の口から

> 白か黒ではなく、グレーでいい
>

という言葉が発されていて、まさにそれが『カルテット』を生み出すきっかけになったのではないだろうかと推測される。

坂元裕二 × 是枝裕和 トークショー レポート・『それでも、生きてゆく』(1) – 私の中の見えない炎
 
 
質問の方向性

坂元裕二と是枝監督、興味ある対象が似ていると感じる?・・・ここから題材の話と社会の話に

プロットは是枝さんのものではない。。。構成については坂元さんに聞いた方がいいということか

脚本を読んで、どうイメージを作ったか、テーマについてどう解釈したか。

是枝作品としては珍しい、構成。羅生門スタイル。

男らしさをどう考えたのか。

永山瑛太の役どころ、、、書籍の誤字脱字を探すのが趣味、笑顔が不気味などでスケープゴートにされる、最初に飴舐めたのはなに。

視点が変わる、私たちは事件や事象のある断面しか見ない、というか見えない。

坂本龍一との仕事はどうだったか。書き下ろしは2曲だけとのことだが。

謝罪とはどうやるものなのか

怪物、だれだと問いかけてる。だから、お客さんは怪物探しちゃうのだけど、

この構成は最初からこうだった? この構成が良いと思った理由

校長先生の不気味さ。。。足を引っかけてたのは。。。?

世の中を複数の視点で見つめることは、今の社会を生きる上で大切なことだと思う。

 
 
質問案

2019年に企画の連絡を川村元気プロデューサーからいただいたそうですが、企画のどんな点に魅力を感じましたか。

脚本家の坂元裕二とさんとは何度か対談やトークショーをされていて、同じようなモチーフに関心のある方だと認識されているそうですが、今回の企画にもそれは感じたのでしょうか。

一つの出来事を複数の視点から語りなおす、いわゆる「羅生門スタイル」の構成になっています。是枝監督の作品としては異色の構成ですが、これは坂元さんの発想でしょうか。

この構成によって被害者と加害者の視点が入れ替わる構成と「怪物だーれだ」というキャッチフレーズの相性がとても良いなと思います。監督はこれまでも、単純に善悪を分けられない人間模様を描いてきたと思いますが、複数の視点から物語を見せることで、観客に何を提示したかったのですか。

いじめ、不祥事の隠蔽、家庭内暴力など多くの社会的問題が描かれます。モチーフとして

坂本龍一さんとは本作の音楽に関して、どんなやり取りをしましたか。

坂本龍一さん「音楽もそれ以外の活動も尊敬している」とコメントを寄せていますが、どんな点を尊敬しているのですか。

芝居の方向性自体をそれぞれの視点のシーンで変えるのか。永山瑛太など最初の視点の登場シーンでは、本当にムカつく感じで出てくるのですが。2番めの視点の時と芝居自体を変えてもらってるのか。

湊のお父さんはラガーマン、依里のお父さんは男らしさにこだわるタイプの人物に見えます。監督は男らしさの呪縛みたいなものをここで見せようとしているのですか。

 
映適についても聞く。
 
 
構成5月18日
Point3つ

構成と怪物をめぐる反転、自分には書けない坂元脚本の魅力

坂本龍一について

映適について
 
 
Intro

怪物の公開と概要。。脚本を坂元雄二、音楽を坂本龍一

本作について話を聞いた。
 
 
Body1構成と怪物をめぐる反転、自分には書けない坂元脚本の魅力
自分の企画ではなかった。

– 企画は坂元雄二の本をやりたいから受けた

企画が魅力的だったというよりは川村さんから坂元さんが是枝の名前を出していたという話を聞いて、どんな企画でも受けようと思いました。

(坂元さんの脚本を監督するのが)夢でした(笑)。いつか一緒にとずっとお話していたので、思ったより早く実現したなと言う感じです。


なぜ夢だったのか、自分には書けないものがあるが共通するモチーフへの興味

自分には書けないキャラクターの輪郭と構成

対談を何度か行った。特に「それでも生きていく」に衝撃を受けた。犯罪加害者の家族を主人公にし、それを民法0時のドラマにするアプローチに驚いた。そのドラマでは逃げずに、犯罪被害者とのラブストーリーを描いている。感情共有の試みや、犯罪者と被害者の理解を促すプログラムとも関連付けられるが、ラブストーリーにする発想は斬新だ。坂元さんのポピュラリティへの意識については不明だが、平易な文体で重いテーマを扱う才能は稀有だと感じる。

坂元脚本、今回の見どころとなる部分、構成
構成で反転する怪物はだれという問い
坂元さんにとっても挑戦だったが、最初の企画では3部構成ではなかった。物語は怪物の正体を探りながら進み、異なる視点から物語が繰り返される。坂元さんは単純な話ではなく、真実が並列される構造を理解しており、物語は異なる章でも成立する。

異なる視点で描かれるそれぞれの章で、キャラクターたちの印象も劇的に変化する。例えば、永山瑛太が演じた小学校教師の保利(ほり)の第一印象は多くの人にとって「最悪」だが、それが予想だにしない方向に変わっていく。これは俳優に印象が変わるように指示して演じてもらっているのだろうか。

彼から出てきたものですね。特別に指示してないです。それは見ながら、1章はこう見えて2章はこう見える、編集で整理しながら塩梅は微調整していますけど、基本的になにかそこで1章だから、2章だからこうとお芝居を変えてもらってることはないです。

つまり脚本の構成の力が大きい。

タイトルについて
ある時期にこれは怪物がいいんじゃないかと僕と川村さんが一致した意見で、それを坂元さんに話したら最初は抵抗してた。
少年たちが怪物だと受け取られかねないから。
この映画は『誰かを怪物だと思ってしまう、怪物を探してしまう』こと自体への問いかけ
映画を見ている自分に跳ね返ってくる構造になっている。

 
 
Body2坂本龍一との仕事について
本作は坂本龍一の遺作となった。書き下ろしは2曲のみだが、
手紙でオファー、手紙だけでやり取り
尊敬していた坂本龍一、音への姿勢と社会的発言両面
音楽について大変な勉強家
亡くなる直前まで社会的な発言をし続けていた、見習わないといけない。
 
 
Body3映適
これが始まりであってゴールではない、その溝を埋める必要
映適へのAction4Cinemaの声明を確認
大手の映連と映職連が合意したことは素晴らしいが、彼らは合意をゴールと見なしている。しかし、その運用には人とお金が必要であり、現在資金が不足している。ハラスメント対策に関しても、映連は対応を逃げており、映適も費用の問題から取り組んでいない。プロジェクトに関連する講習会を行うことは理解できるが、各現場での対応は責任の逃れであり、不十分である。

運営費がない、これでは製作費を増やさなくていいラインを見つけただけ

撮影業界では週に1回、月に2回の休暇があるが、これは働き方改革の一環として経産省の要請によるもの。しかし、この休暇制度は過労死のレベルであり、映連や映適も含めて業界全体がこれを受け入れている。この合意は予算を増やさずに済むという考えに基づくものであり、監督たちは引き続き作業を続けることに合意している。他国では例外規定があるが、映適マークの付与にはより厳格なルールが必要であり、違反には罰則や残業代支払いが含まれるべき。報告義務も必要であり、今のままでは変化が期待できない。現場がこの状況で変わるのか疑問であり、厳格な監視と報告が必要であるが、予算が増えない限り実現しないと感じている。

きっちりと検証・監視していく
スタッフセンターでは登録した人のギャラから1%を天引きして運営費としているが、これは労働環境を守るための施策として矛盾している。この仕組みは登録者に不評であり、運営費が不足している。三社が合意した以上、運営責任を負うべきであり、配給からのトップオフが最も早く効果的な手段だろう。もし1%のトップオフが実現すれば、誰も反対しないと思う。
 
 
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 メモ終わり。

 映適について忌憚ない意見を言ってくださいました。これも大事なことなので、映画とは直接かかわりのないことではあるので、心苦しいといえば心苦しい。本当は映画のアピールに全振りしたいところだと思うんですけど、言ってくれる人が少ないので、是枝さんに聞くしかないみたいなとこがある。

 ちゃんと僕も書かないと行けないなと思っています。
 
 
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