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映画の多様性を創出する独立ネットワーク「独立映画鍋」が旗揚げ

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僕は高校時代からインディーズ映画ファンであります。強烈にその人の顔の見える映画って大好きだったんですね。
僕の高校当時の東京はそんなインディーズ映画ファンにはとてもいい環境でした。
世界中の優秀な作品、アメリカのインディーズ映画、ヨーロッパ映画からアジアの名作、そして日本映画まで様々な作品が見れました。
週末は一日中映画見てましたね。映画館をハシゴしてご飯を食べる時時間も惜しんで。高校時代に三池崇史や黒沢清、是枝裕和、青山真治などの才能を知りました。当時のインデペンデント映画の世界にはメジャー映画にはない強烈な個性を持った作家がたくさんいました。もっと遡って80年代の自主映画ブームにも多くのユニークな映画作家がいました。もっと遡れば今村プロや大島プロなどの独立プロダクションの時代にも個性的な監督が日本には多数いましたね。

しかし、今日本映画は大変難しい状況にあります。というか映画というビジネス自体が難しくなってきているんですが。
近年の日本の映画館での興行収入は過半数が日本映画であり、これは諸外国と比較するとかなりの快挙です。そんな国は他にあんまり無いんです。しかし、どんな日本映画がお客さんをたくさん集めてるかと云えば、テレビドラマの劇場版、半端な漫画原作モノ、あとアニメ。実写では三池崇史が一人気を吐いていますが、没個性的な作品が目立ちます。ジャニーズ主演作も多い。

その反面、国際映画祭の舞台で高い評価を受ける作品が少なくなってきました。今年のカンヌ映画祭ではコンペ作品は0でした。別段、国際映画祭が全てではありませんが、やはり映画祭は世界の窓口の役割もありますので、日本映画の国際競争力が落ちて来ているという事実は、確実にあると思うのです。というか最近では作家の個性を活かせるオリジナルの企画がほとんど通らないという現状があります。通っても厳しい予算になりがちで最近のインディーズ映画はどんどん低予算化しています。

本当に厳しいんですよ、自主映画、インディーズ映画の現状って。
サイタマノラッパーの入江悠監督のこのエントリーは今の日本のインディーズ映画作家の厳しい現実を如実に語っています。2年前の記事ですが、映画が話題になってもお金がまわらないこの現実。
なぜか東京を去る理由

インディーズ映画市場というのは大変重要なもので、新しい才能はメジャー映画から生まれるわけではないですから。インデペンデント映画市場はつぶれるというのは、新しい才能の供給元が限りなく小さくなることを意味してしまう。ここは何とかしないといけないところです。

つい先月のことですが、独立映画鍋という組織が立ち上がりました。僕も今日知ったばかりですが、その目的はインディーズ映画作家たちを資金面でサポートできるプラットフォームを構築すること。

活動内容は以下の通り。(独立映画鍋とは?より

1.独立映画関連プロジェクトに対する寄付を募るクラウドファンディングサイトの運営・管理

『Motion Gallery』と共同で寄付を募るサイトを運営・管理します。
2.新しい寄付税制の活用

 寄付税制の改正により、認定NPO法人に対する寄付者への大幅な税額控除が認められることになりました。 この新しい制度を映画への寄付文化拡大の突破口として活かすため、できるだけ早い時期に認定NPO法人化できるよう活動していきます。
3.シンポジウム、イベントの企画・開催

 独立映画とそれを取り巻く環境について考えるシンポジウムやイベント、作り手と映画支援者をダイレクトに繋ぐ企画マーケットを定期的に開催します。
4.独立映画の製作、上映、配給、振興に役立つ情報提供

 各種助成金や上映スペース・上映団体情報、海外セールス・映画祭情報などを随時提供します。
5.映画業界実態調査・政策提言

 映画業界の実態を取材・調査し、レポートとしてまとめ、映画の多様性を創出する為の政策提言を行います。

設立趣旨でも書かれている通り、映画を作りたいという熱意と清貧を混同すべきではないと思いますが、現状映画を作るには多くの人が清貧に追いやられているのが現状です。サイタマノラッパー第一作の入江悠監督のように。

これは設立主旨にある通り、文化の貧困を招くだけです。文化が貧困になれば社会から想像力が失われます。
文化の貧困は究極的には、他者が何を考え、何を感じているのかに思いを馳せることができない状況を産み出します。

僕はこの設立主旨に賛同いたします。やはり僕はかつての日本映画のように個性的な作家たちが’たくさん活躍してくれる環境であってほしいと思うので

とりあえず早速会員の申し込みをしてみました。
年会費は個人会員で8000円。団体ですと50000円となっています。
会員募集のページはこちら。
メンバー募集案内

それと来週の月曜日(7/23)キックオフイベントを開催するようです。
概要は以下のリンクをご覧下さい。
独立映画鍋キックオフ・イベント

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