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坂元裕二さんと是枝裕和監督の早稲田大学での講演をレポートしました

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 Brancで、『怪物』の脚本家・坂元裕二さんと是枝裕和監督の「マスターズ・オブ・シネマ」の講義のレポートを書きました。

 『怪物』カンヌ脚本賞の坂元裕二と是枝裕和監督が早稲田大学で登壇。「12年来抱えた加害者を描く難しさに挑んだ」 | Branc(ブラン)-Brand New Creativity-

 カンヌ国際映画祭脚本賞とクィア・パルム賞を受賞した『怪物』の脚本家と監督の登壇ということで、メディアも入れました。この早稲田の特別講義には、以前もお二人は確か参加されたことがあります。2017年ですね。

 本作の企画のオファーは2018年だったそうで、結構時間がかかってるんですね。まあ、コロナとかもありましたし。もともとは東宝の山田プロデューサーと坂元さんの企画で、坂元さんが是枝さんの名前を挙げたそう。自分で立ててない企画は是枝監督としては結構珍しい気がします。

 企画の成り立ちは、脚本をいかに現場で良いものにしていくのか、非常にためになるお話が多かったです。こういう授業が受けられるの、学生が羨ましいです。
 
 
 以下、原稿作成時のメモと構成案。
 
 
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Intro

6月10日に開催

早大で人気授業「マスターズ・オブ・シネマ」の講義にゲストとして登場した。

マスターズ・オブ・シネマとは?いるか?

Body1作品成立の経緯と是枝さんの参加、2人の出会い

坂元
2018年から、東宝の川村さん、山田健司P(テレ朝)がきて一緒に映画をという話
連続ドラマの良さを出してほしい

川村さん会場から
さっき、早苗という喫茶で触れないで言ったのに。
45分の尺で3本立てだったらどうなるだろうという話をした。
テレビドラマのようなという失礼なことはいってない。

連続ドラマのような映画は坂元さんの解釈か。

坂元
基本は連ドラの脚本家なので、嫌な想いはしない言葉
ドラマはクリフハンガーが大事なので、映画でも大きくかわっていく瞬間がある映画をと受け止めた

坂元
普段は書きながら、小戸枯れるけど連ドラは撮影時典でできてるのは3本くらい、放送の時に6本くらいとか、4話を書いてるあたりで顔合わせがあって、俳優の芝居を見て持ち帰って、4話をかいたりする。それで作品世界が実体化。オンエアのリアクションで公判を書いていく。
映画は、打合せで意見は聞くが、どんな作品になるのか見えない中で、書くというのは問題について書くことだと思っている。何が問題なのか、登場人物を一緒に時間を過ごしながら考えていくが書くこと。映画の場合は、問に答えを想定しないとかきにくいというイメージがあった。
是枝監督はとりながら書いたりっとか、演劇はケイコしながら変えて言ったり、ラストを見据えないといけなかったのは今回。

坂元
多分、僕が名前を出した。あるいは名前が出るように待ってた気がする。キャストも自分から誰がいいとか、えいたがいいと笑顔になったり、田中裕子さんの名前がでるとおっと声が出たり。
監督にも恐れ多いので、是枝さんの名前を自身もっていってないと思う。

2017年、テレビの見る夢、早稲田演劇館で会っている2人

是枝
川村さんからメールがきたのは2018年12月のことで、読む前にその段階にやろうと決めた。これは坂元さんだからやろうと。
 
 

Body2 共通のモチーフ

是枝さんは、坂元さんのドラマを見て、ネグレクトや犯罪加害者など共通のモチーフに関心を抱いたと語った坂元さんは、自身が制作した「さよならぼくたちの幼稚園」が、是枝監督の作品に影響を受けており、同じモチーフに感慨を覚えたことを明かす。岡室さんは、2人が異なる映画を制作していることに注目し、そのプロットについて尋ねる。

坂元さんは、過去の作品や企画の経緯を振り返りながら、それぞれの物語の背景や展開について述べる。そして、是枝監督の作品に対する影響や共感についても触れる。

岡室さんは、「それでも生きていく」のシーンについて言及し、その衝撃と共に、物語の深さやテーマの重要性について考察

また、坂元さんは、ドラマ制作における役者や演出家の役割について言及し、作品のテーマやメッセージの伝達について考えた。特に、加害者の視点や物語への取り組みについて加害者の視点を描くことの難しさや重要性
基本的に連ドラは、正義が悪い人を捕まえて説教することでおちがつく。世の中はそういう風にできているとされるが実際にはそういうものではない。
 
 
Body3 怪物作品の話

岡室氏は、だれもが加害者になり得る可能性があると述べ、キャスティングについて尋ねた

是枝監督は、4人が集まってキャストの選定や脚本の筆を進めていったことを説明。特に、キャストが決定し脚本が具体化していく過程について、永山瑛太の名前を出すのも坂元さんは待っていた?

岡室氏は、キャストが決まり具体的な動きが始まったかを尋ね、坂元氏は、ドラマ制作においてコンストラクション重視であるため、自由な動きは制限されたが、人間らしさを表現する努力をしたと述べた。

作品へのアプローチやキャスト選定についてさらに議論が展開し、是枝監督と坂元氏は、子役の選定や役への理解について詳細を語りました。そして、坂元氏は、自身の経験や感じたことを元に作品を制作し、自分の中にあるものを届けたいと述べました。

子役について、今回はきちんと専門の人に入ってもらって、本を読んでもらって齟齬がないか相談して、本人のキャラにのっかるよりは通常の大人にやるのと同じやり方をした。
保険先生に来て身体の変化について勉強。子どもの居場所を作る団体の人に来てもらって、性辞任はどういうものがあるのかレクチャーをした。スタッフ全員が聞いた方がいいと思って、スタッフも聞いた。アプローチとしてはそういう形、現場は心理的に孵化のかかるシーンなので、インティマシーコーディネーターの人に入ってもらう。

岡室
文脈というのがあると思っていて、生まれ変わりないというセリフは重要だと思う。
最初、線路にいこうとしたら門があいてないけど空いている。あれは心象風景か

是枝
台風で飛ばされた。制作さんが全部説得して撮影に臨んでいる。
これラストシーンはずせるかと、
走った先にさくがあるのはどうなんだろうって遮るものがなにもないのはいいと思うので、とった。

坂元
大人の希望というか、こういって言っていいかわからないけどさおりという母にもほりという先生にもどこか罪があって、それに気づいて考える時間が生まれるので、観た人にもつたわるといいなと。

岡室
決めつけてしまうことに怪物という加害性があるのかもしれない。
2人が考えてきたことの一つか形になったのがこの作品。

Body4脚本が上手い是枝さん

坂元
監督が書いたセリフがたくさんあるわけではないけど、それがオセロをひっくりかえすほどの印象が変わるシーンがある。2人の子どもがジャングルジムで、「じゃあ準備しなきゃね」という台詞がないかな以下で全然変わる。はっとして。監督にあの台詞すごいですねという話をしたんですが、どれだけ違うかを考えてもらうと良いと思う。

 
 
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 メモ終わり。

 とても濃い内容の講義でした。映画の勉強している人は是非読んでみてください。

 
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